臨床リウマチ
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総説
肝臓内科医のできるリウマチ診療へのサポート
田守 昭博
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2017 年 29 巻 1 号 p. 5-11

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抄録

   リウマチ疾患診療に関係する肝疾患についてウイルス性肝疾患を中心に最新の話題を概説したい.リウマチ診療における治療薬剤による肝障害は,肝臓内科への紹介頻度が高い.もっとも重要な合併症のひとつがB型肝炎ウイルス(HBV)の再活性化による肝炎である.リウマチ治療薬による免疫抑制の結果,HBVが増加した病態から何らかの要因にてHBV感染した肝細胞が一気に排除され重篤な肝障害を引き起こすことになる.その対策はガイドラインに提示されている.すなわちリウマチ治療前に感染症スクリーニングとしてHBs抗原とHBc抗体を測定する.そのいずれかが陽性であればHBV DNAを測定するものである.HBV DNAが定量される場合(2.1Log/mL以上)は,抗HBV剤である核酸アナログを投薬する必要がある.またHBV DNAが検出されない場合は,1-3ヶ月毎にウイルスの増殖がないか検査を継続し,定量された時にすみやかに抗HBV治療を開始することにより重篤な肝障害を阻止することができる. 
   次にC型肝炎ウイルス(HCV)であるが,リウマチ治療によってC型慢性肝炎が増悪することは稀であり,HBVの様な対策は必要ないとされている.一方,C型慢性肝炎への抗ウイルス治療薬の一つであるインターフェロン(IFN)は,リウマチの病態を増悪するリスクが懸念された.現在,HCVに対する抗ウイルス治療はIFN freeであるDirect acting antiviral (DAA)薬へ移行した.その結果,リウマチ疾患を合併したC型慢性肝炎例においても安全にHCV除去が可能となっている.

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© 2017 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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