臨床リウマチ
Online ISSN : 2189-0595
Print ISSN : 0914-8760
ISSN-L : 0914-8760
誌上ワークショップ IgG4関連疾患の世界トップレベル
IgG4関連疾患の病因―分子生物学的アプローチ―
坪井 洋人, 飯塚 麻菜, 高橋 広行, 浅島 弘充, 廣田 智哉, 近藤 裕也, 中井 雄治, 阿部 啓子, 田中 昭彦, 森山 雅文, 中村 誠司, 吉原 俊雄, 松本 功, 住田 孝之
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 29 巻 2 号 p. 128-139

詳細
抄録

目的:IgG4関連疾患(IgG4-RD)とシェーグレン症候群(SS)の遺伝子発現を網羅的に比較し,疾患関連分子を明らかにする.
方法:IgG4-RD(N=5),SS(N=5),健常人(HC)(N=3)の口唇唾液腺(LSG)を用いてDNAマイクロアレイを行った.遺伝子発現パターンを主成分分析(PCA)で比較し,IgG4-RDとSSのペアワイズの比較から,発現変動遺伝子(DEG)を同定した.IgG4-RDで高発現していたDEGの中から,validation候補遺伝子を抽出し,定量PCR,免疫蛍光法によるタンパクレベルでの発現解析を行った.
結果:PCAでは,IgG4-RD,SS,HCは互いに異なるクラスターを形成した.IgG4-RDで相対的に高発現していたDEGを1321個,SSで相対的に高発現していたDEGを1320個同定した.定量PCRにおいて,リンパ球のケモタキシス,線維化誘導に関わるCCL18,ミルクに含まれ樹状細胞の成熟を誘導するLTFは,SSと比較してIgG4-RDのLSGで有意に高発現していた.IgG4-RDのLSGでは,SS・HCと比較して,CCL18のタンパクレベルでの高発現を認め,発現細胞はマクロファージ,樹状細胞,B細胞,形質細胞であった.
結論:IgG4-RDとSSの遺伝子発現パターンは異なり,IgG4-RDの疾患関連分子としてCCL18,LTFを見出した.

著者関連情報
© 2017 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top