臨床リウマチ
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誌上ワークショップ 関節リウマチ治療の最適化─beyond remissionの重要性と問題点─
寛解後のTNF阻害薬減量・中止は可能か
伊藤 聡
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2018 年 30 巻 3 号 p. 199-209

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抄録

 関節リウマチ(RA)ではメトトレキサート(MTX)を中心とした従来型経口抗リウマチ薬(csDMARDs),生物学的製剤(bDMARDs)が使用され,疾患活動性が劇的に改善した.しかしbDMARDsは高価であり,いつまで継続するかは患者にとっても国の医療費という観点からも重大な問題である.TNF阻害薬の減量・中止(いわゆるバイオフリー:BF)に関して,抗体製剤ではインフリキシマブのBeST,RRR,BuSHIDO試験,アダリムマブ(ADA)でのHONOR,HIT HARD,OPTIMA,HOPEFUL-2, 3試験,セルトリズマブペゴル(CZP)のCERTAIN,C-OPERA試験などがある. また,TNFの可溶性受容体製剤であるエタネルセプト(ETN)では,PRESERVEやENCOURAGE試験がある.当院では,BuSHIDO試験にならい,bDMARDsを中止する際に一剤csDMARDsを追加する手法を取り入れ良好な成績をあげている.病歴の長い患者でもバイオフリー達成が可能だが,より高率にバイオフリーを実現するには,早期からbDMARDsを使用することが望ましい.現在MTX開始3ヶ月以内にADAを開始した症例が39例となり,良好な成績が得られている.ADAを早期から開始したにも関わらずまったく反応のなかったTNF non responderも1例認められたが,トシリズマブに変更して寛解を得,ステロイドを減量中止し,バイオフリーでなく投与間隔延長により医療費を減らすことが可能であった.バイオフリーを狙う場合に,細胞傷害性があるかどうかが重要であるがETNやCZPでも早期使用ではバイオフリーが可能であることが報告されており,投与開始のタイミングが重要である.

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© 2018 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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