2018 年 30 巻 3 号 p. 210-214
我が国は2007年から超高齢社会となっており,関節リウマチをはじめとした膠原病患者も高齢化している.高齢患者では様々な免疫反応が低下しているが,炎症性サイトカインの産生は亢進しており,十分な治療の必要性と感染症リスクのジレンマが生じる.しかも感染防御機構の中で,高齢患者における上皮バリア機能の低下は特に重要な問題である.
感染症と免疫疾患は複雑な相互関連性があり,しばしば悪循環に陥る.そして感染症罹患時に免疫抑制薬は中断することが一般的であるが,免疫の再活性化にともなう重篤な病態を生じるリスクに十分留意しながら感染症の治療を極力短期間で行うことが重要である.