2019 年 31 巻 1 号 p. 33-40
目的:関節リウマチ(RA)合併骨粗鬆症のビスホスホネート製剤(BP)効果不十分例において,デノスマブ(DMB)もしくはテリパラチド連日投与製剤(dTPTD)に変更し2年間継続した際の治療効果の後ろ向き検討を行った.
対象・方法:BP効果不十分のため薬剤変更したRA合併骨粗鬆症女性患者54例を,DMB群(n=18)もしくはdTPTD群(n=36)に変更した.両群間の変更前データ,2年後の腰椎(L-)と大腿骨近位部(T-)骨密度(BMD)変化率,P1NPとTRACP-5bの値と変化率を2年間にわたり比較した.
結果:DMB群とdTPTD群の2年後データ比較は,それぞれL-BMD増加率は6.4%と11.0%(p=0.07),T-BMD増加率は3.9%と3.9%(n. s.),P1NPは28.5μg/Lと76.3μg/L(p<0.001),TRACP-5bは338.5mU/dLと563.9mU/dL(p<0.001),P1NP変化率は36.4%と144.6%(p<0.05),TRACP-5b変化率は13.4%と61.8%(p<0.05)であった.
結論:RA合併骨粗鬆症治療において,BP効果不十分の際にDMBもしくはdTPTDに変更することは,L-BMDでは有意差を認めないもののdTPTDの方が有効な傾向にあった.T-BMDではDMBとdTPTDで遜色ない効果を得られた.