2019 年 31 巻 3 号 p. 217-223
目的:秋田整形外科リウマチグループ(Akita Orthopedic Group on Rheumatoid Arthritis: AORA)レジストリーにおける65歳以上の関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)患者に対するトシリズマブ(tocilizumab: TCZ)治療の臨床的有効性と安全性を検討する.
対象・方法:TCZ投与累積症例177例のうち,2016年7月までに投与を開始した149例を対象とした.65歳以上の高齢者群,65歳未満の若年者群における,投与開始時の患者背景,投与継続率,disease activity score(DAS)28-ESR(4),EULAR改善基準,及び投与脱落症例を後ろ向きに調査した.
結果:高齢者群は47例(31%),若年者群は102例(69%)であった.投与開始時の患者背景では,高齢者群で,Class分類の3+4の占める割合と,MTXの非併用例が有意に多かった.投与累積継続率は,高齢者群は1年で91%,3年で82%,若年者群は1年で93%,3年で80%で,有意差はなかった.DAS28-ESR(4)は,投与開始時,高齢者群が平均4.55,若年者群が平均4.73であったが,投与後24週時には,それぞれ2.53,2.49で,両群とも有意に低下し,52週時まで維持され,両群間に有意差はなかった.疾患活動性は,52週時に高齢者群で74%,若年者群で72%が低疾患活動性を達成した.EULAR改善基準は,52週時で両群ともに87%において有効であった.投与脱落例は,有害事象は,高齢者群5例,若年者群15例,効果不十分は,高齢者群3例,若年者群9例であった.
結論:65歳以上のRA患者に対するTCZ治療の,臨床的有効性や安全性は,若年者と同等であり,TCZは高齢RA患者に有用である.