2020 年 32 巻 4 号 p. 292-296
成人Still病は発熱,皮疹,関節症状を主な症状とする原因不明の全身性炎症性疾患であり,16歳未満に発症した全身性若年性特発性関節炎の成人(16歳以上)移行例と成人(16歳以上)発症Still病を合わせた概念となっている.病態においてはマクロファージの活性化やIL-1β・IL-6・IL-18などの高サイトカイン血症が重要と考えられており,炎症性サイトカインを標的とした生物学的製剤の有用性が示されている.我が国では医師主導多施設共同治験(KCCR-D002試験)が行われた結果,2019年5月にはトシリズマブが成人Still病に世界に先駆けて適応追加承認を取得した.