臨床リウマチ
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原著
看護師におけるRA患者の臨床薬理学分野に関する教育介入とその効果
松田 明子藤本 隆原 良太藤村 貴則青井 博志西浦 聡子萩野 浩田中 康仁
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2020 年 32 巻 4 号 p. 282-291

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抄録

目的:関節リウマチ(RA)の治療は生物学的製剤の導入で格段に進歩し,看護師は,患者に応じた薬剤・リスク管理や臨床薬理学視点の観察が重要である.そこで看護師に対するRAの臨床薬理学に関する教育介入の効果を検討した.方法:対象はN県内の看護師52人,内訳はRA診療補助業務経験のある業務群39人,業務経験のない非業務群13人であった.教育内容は,①RAの病態と活動性の評価,②薬剤のリスク管理,③リスク管理(潜在的感染要因,ステロイド内服患者,手術),④添付文書の活用と観察点の4項目であった.介入は,リウマチ専門医と薬剤師により約2時間実施した.教育介入前後で,各項目に作成された設問(問題数は①3問,②8問,③8問,④4問の合計23問)について正答を記号で選択する方法により理解度を評価した.結果:ベースラインの2群間に正答率に有意な差はなかった.教育介入後,業務群では23問中16問(項目毎の内訳は①(1/3),②(5/8),③(6/8),④(4/4))において有意に正答率が増加した.一方,非業務群の教育介入後の正答率の増加は23問中2問(①(0/3),②(1/8),③(0/8),④(1/4))で確認された.結論:RAの臨床薬理学に関する教育は,RA診療補助業務経験のある看護師群でより効果があった.看護師に対するRA診療補助業務経験別に臨床薬理学および薬剤のリスク管理に関する教育が必要である.

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© 2020 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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