2020 年 32 巻 4 号 p. 297-303
強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis: AS)は,仙腸関節,脊椎など体軸関節炎を主病態とし,体軸性脊椎関節炎(axial spondyloarthritis: axSpA)に分類される.ASの炎症は付着部に始まり骨のびらん性病変をきたし,その後に長期の経過で骨新生がみられ,椎体は架橋され強直に至る.ASの早期治療介入を可能にするため,体軸性脊椎関節炎という分類名とその基準が提唱された.これにより,改訂ニューヨーク基準における「X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(non-radiographic axial SpA: nr-axSpA)」が分類されるが,nr-axSpAは長期の経過でASに進展しないことも多い.ASでは,禁煙などの患者教育とストレッチや水泳などの運動療法が推奨される.薬物治療は,非ステロイド性抗炎症薬を投与し,効果不十分な場合には,末梢関節炎に対してはサラゾスルファピリジンが用いられることがあるが,メトトレキサートはASには無効とされ,体軸病変に対してはTNF阻害薬のインフリキシマブもしくはアダリムマブが用いられる.これらが一次無効の場合にはIL-17阻害薬に,二次無効の場合はもう一方のTNF阻害薬への切り替えが行われる.生物学的製剤は,ASの骨病変進行を緩徐にする可能性が示唆されている.海外ではTNF阻害薬,IL-17阻害薬はnr-SpAに対しても承認されており,国内ではIL-17阻害薬のみが適応を有する.さらに,ASに対するJAK阻害薬の治験が進行中である.