臨床リウマチ
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原著
高齢関節リウマチ患者の臨床的検討
黒田 毅長谷川 絵理子若松 彩子佐藤 弘恵小林 大介中枝 武司成田 一衛和田 庸子中野 正明
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2021 年 33 巻 2 号 p. 106-112

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抄録

 関節リウマチ(RA)患者の高齢化は若年発症RA患者の高齢化に加え,高齢発症の患者も増加している.我々は1991年のRA429症例と2018年のRA368例について横断的検討を行い年齢,性比を検討した.その結果1991年の平均年齢は55.3歳でRA患者のピークは50歳代と60歳代にあり,2018年の平均年齢は66.9歳で,70歳代にピークが認められ(P=0.000),高齢化が確認された.性別の検討では2018年は1991年に比べて男性患者の増加が認められた(P=0.003).2018年のRA症例の検討では,65歳以上で発症した高齢発症RA(EORA)では初発関節として大関節の割合多く65歳未満の若年発症RA(YORA)では小関節の発症が多かった(P<0.01).RFはYORAが73.1%,EORAが60.7%(P=0.02),抗CCP抗体はYORAが68.4%,EORAが58.3%(P=0.034)とRFと抗CCP抗体共にYORAで陽性率が高かった.治療ではMTXの使用頻度,量ともYORAが多く使用されていた.アミロイドーシスは全体の1.6%に存在し,全例がYORAで解析時に65歳以上であった.

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© 2021 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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