2021 年 33 巻 2 号 p. 170-175
リウマチ専門クリニックである私達の目標は,リウマチ膠原病疾患の早期診断・早期治療介入を実現させつつ,安全・安心とともにその医療が継続できる環境を提供することである.そのためには4つの医療連携,すなわち,近隣のクリニックや病院,大学病院,在宅医療,そして,他県の医療機関との双方向のつながりが重要になる.今回,当クリニックのデータを解析すると,非専門医との日頃からの連携は血清反応陰性の関節リウマチに対する早期診断・早期加療に特に有効だった.また,専門医の受診動機には,薬剤師やケアマネージャー,連携施設の看護師からのアドバイスも重要であることも示唆された.残念ながら,リウマチ専門医やリウマチナースは地域に偏在しているのが現状である.そこで,専門医による非専門医へ情報共有と,看護師間のネットワークの拡大が医療の地域格差を解消するひとつの解決策だと,私達は考える.