臨床リウマチ
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原著
単施設における生物学的製剤未使用関節リウマチ患者(Bio-Naïve)に対する抗TNF製剤の継続率と中止理由に寄与する因子の検討─SUNSETレジストリより─
荒牧 俊幸梅津 彩香原 万怜高谷 亜由子寺田 馨江口 勝美植木 幸孝岩本 直樹一瀬 邦弘川上 純
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2021 年 33 巻 3 号 p. 253-263

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抄録

目的:日常診療下において生物学的製剤(bDMARD)未治療RA患者に投与された抗TNF製剤の薬剤継続率とその中止理由に関連する背景因子について検討する.

対象・方法:当科外来において1st bDMARDとして抗TNF製剤が選択された患者を対象とし,薬剤継続率をKaplan-Meyer法により検討した.中止理由のうち寛解,効果不十分,有害事象の累積発生率とそれに関連する背景因子について多変量解析を用いて抽出した.

結果:対象は455名で,全体の治療継続率は1年64.1 %,2年47.0 %,3年34.5 %,中止理由別の累積発生率については,寛解中止1年: 2.2 %,2年: 9.6 %,3年: 13.7 %,効果不十分中止1年: 11.7 %,2年: 17.7 %,3年: 21.6 %,有害事象中止1年: 13.1 %,2年: 17.7 %,3年: 20.6 %であった.寛解中止の累積発生率を増加させる因子として3か月目のCDAI低疾患活動性,6か月目でのCDAI 50達成が,低下させる因子としてETN,2007年まで治療開始,CRP高値が抽出された.効果不十分中止ではCRP高値,MTX高用量併用,PSL高用量内服,有害事象中止では高齢発症であることが累積発症率を増加させる因子であった.

結論:効果不十分中止と有害事象中止の累積発生率には薬剤間で有意な差は認められず,患者側の背景因子が関与していることが示唆された.寛解中止に関する因子として抽出された因子からは,本邦で使用できる薬剤が増えたことやRAに対する治療方針が変化したことが実臨床での治療目標,治療方針に影響をあたえていることを示唆していると考えられた.

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© 2021 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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