臨床リウマチ
Online ISSN : 2189-0595
Print ISSN : 0914-8760
ISSN-L : 0914-8760
原著
当院における関節リウマチに対するイグラチモドの治療効果と安全性
木村 賢俊橋場 弥生久保 和義黒田 宏日髙 利彦
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 33 巻 4 号 p. 290-298

詳細
抄録

【目的】当院でイグラチモド(IGU)を開始した関節リウマチ(RA)患者の使用成績,安全性を検討する.【方法】2012年10月から2018年1月までに当院でIGUが開始されたRA患者288例を対象とし有害事象および継続率を評価した.3ヶ月以上継続した261例を対象に,DAS28-ESR,SDAIを測定し,75歳未満/75歳以上の年齢別,メトトレキサート(MTX)併用の有無,生物学的製剤(Bio製剤)併用の有無でそれぞれ分類し,両群を比較した.【結果】全体の2年後の平均DAS28-ESR/SDAIは,それぞれ2.7/5.9であり,有意差を持って低下した.75歳未満/75歳以上の2年時のEULAR・ACR改善率は,それぞれ,moderate response以上:66.2%/68.3%,ACR20以上:46.0%/42.4%.MTX併用有/無では,moderate response以上:68.1%/64.2%,ACR20以上:46.6%/42.5%.Bio製剤併用有/無では,moderate response以上:57.0%/69.9%,ACR20以上:37.0%/48.0%.有害事象は全症例288例の18.5%に認め,皮疹の頻度が最も多かった.2年時の継続率は81.1%と高かった.【結論】年齢,MTX併用の有無,Bio製剤併用の有無に関わらずIGUの有用性と安全性が期待できると考えられた.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top