2021 年 33 巻 4 号 p. 278-289
【目的】関節リウマチ(RA)患者に対しJAK阻害剤を投与した症例の効果と安全性の比較を行った.
【方法】当院においてJAK阻害剤を12か月以上継続投与したRA患者を対象とした.Tofacitinib投与群(TOF)とBaricitinib投与群(BAR)に分け,2群間の臨床的背景,疾患活動性などの指標を投与時,投与後3~12か月で測定し,2群間を統計学的に比較した.有意水準は5%未満とした.
【結果】全53例中,TOF群 22例,BAR群 31例あった.TOF群,BAR群の順に女性比率72.7%と71.0%,投与開始時平均年齢69.1と69.4歳,平均病歴5.5と7.5年,平均抗CCP抗体価311.2と456.5U/L,リウマチ因子(RF)179.1と279.5IU/L,Sharp/van der Heijde Score(SHS)50.2と69.1,DAS28-CRP 3.48と3.26,HAQ-DI 0.773と0.726,pain VAS 39.7と31.0mm,MMP- 3 189.1と141.3であり,全ての指標で有意差がなかった.投与後の変化では全ての指標に2群間に有意の差は無かったが,サブ解析においてTOF群の病歴10年以上,SHS100以上の群がそれ未満の群と比べ有意にDAS28-CRPが低下した.有意差は無かったが投与後のeGFRがBAR群の方でより低下する傾向が見られた.
【結論】同じJAK阻害剤でもそれぞれ作用に特徴がある.その特徴を踏まえた薬剤選択が望ましいと考えられた.