臨床リウマチ
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原著
関節リウマチの手関節および手指関節手術後の日本語版Decision Regret Scaleによる患者報告アウトカム
針金 健吾持田 勇一島崎 貴幸小林 直実稲葉 裕
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2021 年 33 巻 4 号 p. 310-319

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抄録

【背景】関節リウマチ(RA)の小関節手術を行った症例で,各種臨床成績や患者報告アウトカム(PRO)での評価が良好でも,術後に不満を訴える例を経験する.Decision Regret Scale(DRS)は治療に対する“後悔”を評価するPROの一つである.今回RA小関節手術後の患者満足度とDRSを調査し,両者の関係性を解析した.

【方法】2017年以降にRA手または手指関節手術を受け,アンケート調査が実施できた29例32手術を対象とし,DRSおよび患者の満足度を全般,機能,外観の3つの指標でアンケート調査した.

【結果】DRSは全症例の約6割で良好な結果だったが,3手術において“後悔”とされ,そのうち1例は変形再発,2例は局所の疼痛残存を認めた.全症例の満足度は外観に比べて全般,機能がやや低く,ばらつきも大きかった.MCP人工指関節を行った10手術では全般,機能,外観に対する満足度とDRSの間に負の相関を認めたが,その他の22手術では外観に対する満足度とDRSに相関は認めなかった.

【結論】DRSと満足度の関係から,MCP人工指関節施行例では機能と外観の両者を重視して手術を受ける例が多く,それ以外の手術では外観よりも機能を重視して手術を受けている可能性が考えられた.また術後の疼痛残存が後悔につながる可能性が考えられた.

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© 2021 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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