2021 年 33 巻 4 号 p. 320-328
目的:関節リウマチ(RA)看護師の「聴く力」を育てる教育介入プログラムが,看護実践能力に与える効果を検証する.方法:準実験的介入研究デザインで,対象は病院外来や入院病棟でRAケアに携わっているRA看護師とする.介入群は,面接技術に関する教育研修を受け,研究参加を希望し,1名以上のRA患者に病棟または外来で実践した77人のRA看護師である.非介入群は,日本リウマチ財団登録ケア看護師1657人から無作為に抽出した60人である.測定尺度は,RA看護師の看護実践能力尺度(神崎ら,2018)5因子23項目を使用した.結果:看護師の看護実践能力尺度において,開始時の介入群63人と非介入群46人の比較で,3因子と4因子で介入群が高かったので得点の上昇の度合いの差を見るため一般線形モデル(General linear model:GLM)を適用し,終了後の被験者間要因比較でこの2つの因子「3.リウマチケアを円滑に運ぶ力(p=0.011)」「4.セルフケアの方法を指導し技術を実践する力(p<0.01)」で主効果があった.従って,RA看護師の「聴く力」を育てる教育介入プログラムにより,看護師の看護実践能力の一部が向上したといえる.