臨床リウマチ
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特集 メトトレキサートを再考する
MTX使用における留意点~LPD以外のトピックス
小池 竜司
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2023 年 35 巻 4 号 p. 248-255

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抄録

 メトトレキサート(MTX)は関節リウマチ治療に不可欠な薬剤であり,薬剤の特徴を十分に理解することはリウマチ医にとって重要なスキルである.特にRA患者は長期間にわたってMTXを服用していくことになるため,副作用のプロファイルや回避方法を理解することが特に重要である.日本におけるMTXの市販後調査では,現在も副作用に関する情報が収集されており,特に重要な副作用として血液・骨髄障害,間質性肺疾患,感染症,肝障害およびLPDを含めた悪性腫瘍が抽出されて解析されている.RA患者におけるMTX治療管理を行う上では,特にこれらの重要な副作用の特徴を理解し,リスク要因や発生早期のシグナルを意識していく必要がある.また,MTXの特殊な内服方法に関連する誤投与や過剰投与事例は継続して発生しており,RA診療に関わる多職種の情報共有やコミュニケーションも重視すべきである.

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© 2023 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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