2023 年 35 巻 4 号 p. 265-271
【目的】近年,関節リウマチ(RA)患者の死因の第一位は悪性腫瘍となった.リウマチ科外来では治療開始時および治療中に定期的に採血や尿検査を実施しているが,それでも癌が進行した状態で見つかることがある.固形癌を合併したRA患者の臨床情報を解析し,発見の契機をまとめた.
【対象・方法】単施設における後ろ向き観察研究.対象は2011年4月~2023年6月に当科を受診し,半年以上通院したRA患者のうち,RA診断後に固形癌と診断された41人(女33人;80%),48癌.癌診断時の年齢,癌の種類,癌発見の契機,RA罹病期間,癌診断時および診断後のRA治療についての情報を収集した.
【結果】癌の発生臓器は乳腺,肺,大腸,子宮,胃,皮膚,前立腺,膵,その他の順であった.RA診断の平均年齢は54.1歳で,癌診断の平均年齢は67.5歳であり,癌診断までのRAの罹病期間は中央値で9.0年であった.癌発見の契機は乳癌では自己触知が最も多く,肺癌や大腸癌は外来や入院時の検査で発見されることが多かった.RA治療については,癌診断後にメトトレキサート(MTX)とTNF阻害薬が中止されることが多く,グルココルチコイド(GC)の使用率が増加していた.
【結論】リウマチ外来の定期的な検査だけでは固形癌の早期発見が困難であることが明らかとなった.