抄録
La1-xAExCoO3系ペロブスカイト(AE=アルカリ土類金属)は最も高い導電率を示す酸化物の1つである。高い導電率を示す要因の1つにAE濃度に伴う結晶構造の変化が挙げられる。そこで本発表では、イオン半径の異なる3種類のAE元素を系統的にドーピングした試料に対して、Hall効果測定と結晶構造解析を実施することで、キャリア濃度,移動度と結晶構造の相関性解明を試みた。この結果、結晶構造と移動度に相関関係が存在することを確認した。しかし、ペロブスカイト酸化物で一般的に提唱されるCo-O-Co結合角と移動度との因果関係ではなく、むしろCo-O結合距離と移動度に相関関係が示唆された。