臨床リウマチ
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原著
高齢者関節リウマチ患者でのメトトレキサート高用量使用に対する注意喚起の取り組み
山田 宜和田川 尚行大倉 裕子須藤 真則髙村 紗由里石川 肇伊藤 聡髙澤 純子
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2025 年 37 巻 2 号 p. 84-92

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抄録

目的:当院において,メトトレキサート(MTX)を高用量使用中の高齢関節リウマチ(RA)患者で難治性の感染症となる事例が続いたことから,高齢者のMTX高用量使用への注意喚起を行った.その前後におけるMTX投与量の変化等について報告する.

対象・方法:2022年7月時点で8mg/週以上のMTXが処方されている75歳以上のRA患者80例を対象とし,MTX高用量使用への注意喚起を行った.9か月後のMTX投与量や追加薬の有無,MTXが減量された患者のdisease activity score 28-erythrocyte sedimentation rate(DAS28-ESR)の推移を比較した.

結果:注意喚起前のMTXの平均投与量は9.0±1.5mg/週であった.9か月後には平均7.7±2.2mg/週となり,1.3mg/週の有意な減量となった(p<0.01).増減の内訳は,増量が1例,不変が45例,減量が34例であり.減量された34例のうちDAS28-ESRが確認できた24例は,減量前後でDAS28-ESRに有意差はなかった(p=0.83).

結論:注意喚起により対象患者の43%でMTX投与量を減らすことができ,DAS28-ESRは減量前後で有意差はなかった.加齢に伴う腎機能の低下によりMTXが過量になっていた可能性も示唆され,高齢者RA患者でのMTX高用量使用への注意喚起は有効であると考えられた.

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© 2025 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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