2025 年 37 巻 2 号 p. 93-102
目的:関節リウマチ(RA)患者における長期の腎機能変化および腎機能障害のリスク因子を同定する.
対象・方法:全国電子カルテデータベースを使用し,2011年7月1日から2023年3月3日までの患者データを抽出した.非復元サンプリングと傾向スコアマッチングを行い,RA患者群と非RA患者群を構成した.主要評価項目はRA患者群と非RA患者群の推算糸球体濾過量(eGFR)の変化率の差とし,患者全体での解析に加えて腎機能障害のリスク因子で層別化したサブグループ解析を行った.その他の評価項目として,RA患者群の抗RA薬によるeGFRの影響,メトトレキサート(MTX)単独療法中のRA患者でeGFRの変化率を評価した.
結果:RA患者群および非RA患者群いずれも14,531例を解析対象とした.非RA患者群に対するRA患者群の平均eGFR変化率の差は,−0.05mL/分/1.73m2/年であった.腎機能障害のリスク因子で層別化した解析でも,eGFR変化率に差を認めなかった.一方,MTXおよびタクロリムスの使用は,eGFRの変化に負の影響を及ぼすことが示唆された.MTX単独療法を受けていたRA患者は,RAまたは非RA患者群全体と比較して,eGFR低下が大きかった.
結論:本研究結果から,抗RA薬を処方されたRA患者での腎機能モニタリングの重要性が示された.