2025 年 37 巻 3 号 p. 154-159
好中球は従来,均一な細胞集団であると考えられてきたが,近年では成熟度や表面分子の違いにより多様なサブセットが存在することが明らかとなっている.特に,低密度顆粒球(Low-density granulocytes: LDGs)は自己免疫疾患や感染症,がんなどで増加し,疾患ごとに炎症促進や免疫抑制など異なる機能を示す.好中球が形成するneutrophil extracellular traps(NETs)は病原体の排除に寄与する一方で,過剰形成や分解障害により組織傷害,血栓形成,自己抗体産生を誘導する.ANCA関連血管炎,IgA血管炎,全身性エリテマトーデスでは,NETsが病態形成に重要な役割を果たす.本稿では,好中球およびNETsの多様性と,それらが関与する自己免疫疾患の病態について概説する.