コンクリート工学論文集
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全国規模の点検データに基づく道路橋のコンクリート部材の劣化の特徴
玉越 隆史横井 芳輝石尾 真理
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2014 年 25 巻 p. 167-180

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抄録

国が管理する全国の道路橋の定期点検結果を用いて,そのコンクリート部材の主な損傷の進行の特徴について分析を行った。その結果,コンクリート主桁では,供用初期からひびわれを有する部材が種別を問わず多くあることを示した。上部工ではプレストレスの有無以外に,プレテンション方式かポストテンション方式かの相違や部材断面形式の相違によっても劣化の特徴に差があることを実証した。また,架橋条件や橋梁形式,適用基準など多岐にわたる属性との関連に着目して多変量解析を行い,劣化に支配的な要因の抽出を試みた。その結果,点検データの分析では,構造形式や部材の種類などの構造的特徴の影響が供用後の環境や外力条件の影響を相対的に上回る結果となった。

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© 2014 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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