2014 年 25 巻 p. 75-84
鉄鋼スラグ水和固化体(SSC)の海洋・港湾構造物への適用を想定した水中疲労試験により,SSCの水中における圧縮疲労強度が普通コンクリートよりも若干低下することを明らかとした。供試体の変形特性に着目した検討により,SSCでは同レベルの応力繰返し1サイクル毎の損傷量が普通コンクリートよりも大きく,その結果早期に疲労寿命に達することがわかった。さらに,SSCの疲労強度の改善を目的とし,ロサンゼルス試験機により磨砕することで表層の脆弱部を除去した溶銑予備処理スラグを骨材に用いることの効果を検証した結果,同骨材を用いることでSSCの水中における疲労耐久性を改善できることが明らかとなった。