リン酸ニ水素アルミニウムを添加した過酸化水素系水溶液(HPS)を反応性骨材の浸漬処理剤として用いた場合のアルカリシリカ反応(ASR)抑制効果及び,HPSを反応性骨材含有モルタルの含浸剤として用いた場合のASR抑制効果について検討した。その結果,HPSと反応性骨材との反応で生成した活性酸素により骨材最表層が安定したSi-O結合のシリカに改質されることや,HPSで浸漬処理した反応性骨材を含有したモルタルの膨張率が材齢3年まで「無害」判定の0.1%未満に維持されること,ASR膨張進行過程の反応性骨材含有モルタルをHPSで含浸処理した場合の膨張率が材齢3年まで無含浸及び亜硝酸リチウム水溶液で含浸処理した場合よりも小さい傾向にあること,長期間においてもHPSはASR抑制に有効であることが明らかになった。