コンクリート工学論文集
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炭素繊維格子板の端部を炭素繊維束で定着するせん断補強方法
宮内 克之下枝 博之小林 朗
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2021 年 32 巻 p. 1-12

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抄録

炭素繊維格子板(CFG板)の端部を炭素繊維束で固定し,ポリマーセメントモルタル(PCM)を乾式で吹き付ける定着方法でせん断補強されたRCはり部材の単調載荷試験を行い,炭素繊維束を用いたCFG板の定着方法の可能性を示すとともに定着性能に及ぼす炭素繊維束の繊維量の影響およびPCMの圧縮強度の影響に関して検討した。その結果,提案工法はCFG板端部の定着方法として効果的であり,定着に必要な炭素繊維束の繊維量は,CFG板縦筋の引張耐力に相当する引張耐力を有する繊維量で十分であることが明らかになった。また,PCMの圧縮強度は50N/mm2程度で十分であることを示した。さらに,提案する定着方法によってせん断補強されたRC棒部材の斜め引張破壊耐力は,既存の式にCFG板縦筋が負担するせん断耐力を加えた式で評価できることが確認された。

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© 2021 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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