本研究は,風況と周辺地形を考慮した飛来塩分量予測手法を構築することを目的に検討を行った。まず,AMeDASおよびMSMデータを用いて風況と飛来塩分量の関係を検討した。その結果,飛来塩分量は4m/s以上の風速の二乗の積算値と相関があることが確かめられた。また,Box-Cox変換を行った4m/s以上の風速の二乗の年間積算値の頻度が正規分布に従うことから,統計的手法により年間の風速の二乗の積算値の区間推定を行った。さらに,機械学習のアルゴリズムの1つである,LightGBMを用いて周辺地形を考慮した飛来塩分量予測を行った。その結果,予測値は実測値を概ね再現した。また,SHAP値の算出により,周辺地形が飛来塩分量に与える影響を可視化した。