2023 年 34 巻 p. 47-60
コンクリートの乾燥収縮挙動に対し,機械学習モデルを構築し,モデルの学習結果を解釈することによって,偏りがあるデータ群の影響を抑制しつつ,各説明パラメータが乾燥収縮に与える主な影響,すなわち支配構造を抽出し,定式化するといった新しいアプローチ法を提案した。本アプローチ法に基づき,コンクリートの配合および骨材の特性が乾燥収縮に与える影響を分析した結果,単位水量と骨材体積をパラメータとした配合の非線形影響や,配合により異なる骨材の吸水率の影響度等,複雑な支配構造が抽出された。抽出した支配構造を定式化した結果,定式による予測値は,実測値の乾燥収縮率を良く再現しており,データの密度が疎になる領域において特に予測精度が改善されることを確認した。