抄録
機械移植用の稚苗の箱育苗には通常積重ね方法や平置き方法が実施されているが、暖地における育苗期間は一般における屋外積重ね方法において出芽の異常や鞘葉の異常伸長、根系の未発達、ムレ苗などの諸悪現象を生ずることが多く、健苗の育成、確保がむずかしいのが現状である。このようなことから本実験は暖地における水稲稚苗の箱育苗において根優先の健苗の育成と確保を図る目的で、新たに平置き方法に太陽シートを利用しての苗の生育を観察した。苗の生育の観察にあたっては出芽期(催芽種子の播種から播種後4日間)は積重ね・ビニル被覆と平置き・太陽シートとの苗の生育比較を、またその後の緑化から硬化期の間(播種後5日目から播種後8日目まで)は潅水時期と潅水量を異にした場合についての苗の生育状況を観察した。