2022 年 3 巻 J2 号 p. 17-22
地盤構造物の設計では,地盤調査で得られた結果から設計計算に直接必要なパラメータへ変換するが,その変換誤差は課題とされている.人工知能により地盤構造物の設計,地盤数値解析に必要な地盤定数を精度よく推定することができれば,解析に必要な情報量の増大が期待される.そこで本研究では,関西圏地盤情報データベースから地盤の物理試験や粒度試験等,三軸圧縮試験による内部摩擦角の計296セットデータを整理し,人工ニューラルネットワーク(以下,ANNと称す)により内部摩擦角の推定を試みた.その結果,UU試験を除外することで,0.657の決定係数を示した.本論文では,現状のANNの推定レベルと課題,今後の展望について言及したものである.