抄録
水稲の安定多収と効率的な施肥体系の実現のためには、水稲の頴花数を正確に予測するための客観的な方法を確立する必要がある。これまでにも松崎ら(1980)、武田(1986)によって葉色値を利用した水稲の頴花数の早期診断の試みがなされてきた。しかしながら、これらの試みは慣行的な施肥法下でえられたデータをもとになされているため、施肥法が異なる場合に適用できない可能性がある。また、小林(1990)は、施肥法を種々に変えた水稲の分化頴花数が、頴花分化後期の単位面積当りの稲体地上部窒素保有量(g/m^2)のみならず、穂首分化期から頴花分化後期までの窒素含有率の増分(△%)にも左右されることを報告した。このことは、幼穂形成期頃の葉色値のみを利用した従来の頴花数の予測式を、穂首分化期以降の葉色値の変化を組み込むことによって改良できる可能性を示している。以上のような背景から、葉色値(ミノルタカメラ葉緑素計SPAD-501を用いた)と茎数、草丈から水稲の頴花数の推定式を求めた。