抄録
山陽地域の主要品種タマホマレを供試し, 1982年と1986年に6月上旬から7月下旬まで1週間隔で播種し, 播種期と分枝数・総節数・稔実莢数および収量の関係を検討した.播種期が早いと主茎節数が多かったが, 6月下旬から7月上旬の播種における差は小さかった.分枝数は, 播種期が遅いほど少なく, 特に7月にはいってからの播種ではその減少が大きかった.総節数, 稔実莢数とも分枝数の少ない遅播きで少なかった.収量は稔実莢数と高い相関関係にあり, 稔実莢数は総節数, 分枝数に支配された.このため収量は, 早播きほど多かった.しかし, 早い播種では下位節分枝の枯死率が高い, 結莢率が低いなどにみられるように過繁茂が懸念された.一方結実期間の短い遅播きでは百粒重の低下も懸念された.したがって, 当地域のタマホマレ栽培における播種適期は, 6月下旬から7月極上旬と判断された.