抄録
遮光処理がダイズ作物体の諸形質と光合成速度(Pn)に及ぼす影響をみるため, 韓国品種黄金と短葉及び日本品種エンレイを圃場に栽培し, 50%遮光枠で開花盛期遮光(出芽後43-68日), 着莢盛期遮光(同68-88日), 成熟始期遮光(同92-109日)を施した.処理により, 主茎長はエンレイと短葉が, 葉柄長はエンレイと黄金が長くなった.処理葉の面積には大きな変化はなかったが, 比葉面積はいずれも遮光区で大となり, 葉位間では下位葉ほど大となった.処理により葉面積/根量比が対照区よりも16〜51%大となった.開花盛期の遮光で, 処理直後のPnの低下が認められたのはエンレイの主茎と分枝葉, 黄金の分枝葉であった.処理後15日では3品種すべてのPnが対照区よりも低下した.着莢盛期の処理では, 処理葉のPnには対照区との差はなかった.成熟始期の遮光では, すべての葉位の葉で処理直後のPnは対照区よりも高い値を示した.このように, Pnに対する遮光の影響は生育時期により異なった.