砂耕したイグサ6品種の地下茎の節位別根数を地上茎ごとに調査した.その結果, 6品種とも, 第1, 2節間から全根数の約90%が, 第3節間から約10%の根が発生し, 第4節間以上の節間からは殆ど根の発生は認められなかった.また, 品種岡山3号1株の全ての根の外径を測定した結果, 0.8mmと0.3mm付近にピークが窺える頻度分布曲線が得られた.そこで, 地下茎の下部から発生する根と, 地下茎の上部から発生する根に分別して頻度分布を整理した結果, ほぼ同じ位置にピークをもつ2つの曲線が描かれたことから, 前者を太根, 後者を細根とした.水耕区, 砂耕区, 地下茎を埋没させない砂耕区の3区を設けて, 両根の発生様相を調べた結果, 茎当たり太根数に違いは認められなかったが, 同細根数は砂耕区で多かった.また, 細根は, 茎の発生伸長経過の中で, 太根よりも遅れて発生すること, 茎長は3区を通じて, 太根よりも細根の長さとほぼ一定の関係にあることが窺われ, 両根の機能的差異を示唆するものとして注目された.
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