日本作物学会中国支部研究集録
Online ISSN : 2433-2968
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花房次位に着目した生育収量によるダイズ品種の分類
Tariq MAHMOOD黒田 俊郎齊藤 邦行
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1997 年 38 巻 p. 7-15

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抄録
ダイズ11品種を疎植条件下で栽培し, 生育特性, 収量および収量構成要素を調査し, これら形質を変数としてクラスター分析を行って分類を試みた.特に花房次位に着目して検討した結果, 供試品種はA, B, Cの3クラスターに類別できた.さらに細分すると, クラスターAはサブクラスター1と2に分類でき, サブクラスター1は, 北見白, エンレイおよびタチナガハで, サブクラスター2はコガネシロとHarosoyとなった.同様にクラスターBにおけるサブクラスター3はタチスズナリとBraggで, サブクラスター4はタマホマレ, 丹波黒およびフクユタカであった.クラスターCは, 東山69号のみであった.クラスターAとBとを分類した主たる変数は生育特性, すなわち生育期間, 開花始, 植物単位数, 茎長, および茎重であった.収量構成要素, すなわち莢数, 百粒重, 子実重(収量)はクラスターAにおいてサブクラスター1と2との, クラスターBにおいてサブクラスター3と4とのそれぞれの非類似度を高めた.低次位花房はクラスターA, BおよびCをわけるだけでなくサブクラスターを分類するのに重要な役割をはたしていた.とくに注目されたのは2次椏枝の挙動で, すべてのクラスターとサブクラスターの類別に有効な変数であった.形質間の相関を検討した結果, 百粒重のみが収量の変異に貢献しており, 総莢数と収量との間には相関は認められなかった.また, 生育期間の増加にともなって収量が増加したが, これは主として2次椏枝における莢数および子実重の増大によるものであった.
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© 1997 日本作物学会中国支部
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