抄録
山口県熊毛町では、地元で無農薬により栽培したコムギから生産した小麦粉で焼いたパンをつかって、グリーンツーリズムによる地域づくりを試みている。地元産小麦粉でつくったパンは、(1)従来の食パンとは違った味わいがある、(2)農薬の使用量が少なく安全である、(3)コムギ栽培により農地の生産性や地域の景観、自然が守られる。(4)地域の食文化を創出して受け継いでいく、といった付加価値をもつ。しかしながら、これらの価値は消費者にとって容易には理解しがたく、パンの価格に反映させるには啓発活動が必要となる。そこで、次の5点を段階的を達成することによるパンをつかったグリーンツーリズムによる地域づくりのプログラムを考えた(第1図)。