水稲の窒素栄養状態は, 水稲を抜き取りケルダール法などの化学分析を行う方法から, 葉色カラースケールの利用, さらには葉緑素計の利用により, 簡易かつ迅速に診断可能となってきた.しかし, 葉緑素計により得られるデータは個葉の点的なデータであるため, 面的なデータを得るためには多数の測定を行う必要がある.水稲の画像情報は水稲の色彩・形状・分布などに関する面的な情報を含んでおり, デジタルカメラなどで迅速かつ容易にパーソナルコンピュータへ入力し解析可能である.水稲の画像情報を用いた葉色診断から窒素栄養状態が診断可能となれば、面的な窒素栄養状態の把握が迅速に行えると考えられる.そこで本研究では, デジタルカメラによる水稲の可視画像を画像解析し, 葉身窒素濃度およびSPAD値との比較から, 窒素栄養診断への活用の可能性について検討を行った.
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