環境と安全
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大学の作業場におけるPID式個人ばく露モニターを活用した 安全衛生教育教材の開発
水口 裕尊 安崎 嘉人津田 瞳布施 泰朗中村 正治
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2022 年 13 巻 1 号 p. 9-15

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抄録

労働者への有害物ばく露管理おいて作業環境測定基準に基づく単位作業場における作業環境測定が行われてきたが、昨今では、リスクアセスメントの推進や作業環境測定への個人サンプリング法の適用など、個人ばく露量測定による作業環境の評価の重要性が増している。特に少量多品種を使用し、一日の有害物の分布状況の変化が著しい大学等の研究機関では、従来の作業環境測定ではばく露状況を正確に把握することは困難であると考えられる。 現在、感度が高く、多品種の化学物質の検出可能な光イオン化検出器(Photo Ionization Detector; PID)が開発され、有機溶剤等に対する個人ばく露状態のモニタリング機器として応用されている。 本研究では、PID式個人ばく露モニターと個人ばく露測定を実施し、従来の場の測定による作業環境測定結果と比較するとともに、PID式個人ばく露モニターによるリアルタイムモニタリングの結果により、ばく露作業の特定を行うとともに、最大ばく露濃度とばく露作業から、作業管理への有効性について検討した。 また、これらの結果を用いた安全衛生教育を実施し、アンケート調査により、教育前後の安全意識について調査を行った結果、ばく露状況などについて意識の変化が確認できた。

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© 2022 Academic Consociation of Environmental Safety and Waste Management,Japan
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