環境と安全
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原著
大学の実験教育における化学物質のばく露評価手法について
―クロロホルムを取り扱う分析化学実験を例に―
山本 忍 竹内 靖人波多野 航大石田尾 徹青木 隆昌宮内 博幸
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2022 年 13 巻 3 号 p. 47-55

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抄録

本研究の目的は、学生実験における化学物質へのばく露防止に活用できるばく露評価手順について検討することである。分析化学実験を行う学生を対象に、職域の化学物質のリスクアセスメントで主に用いられている4種類のばく露評価のための測定(A・B測定、個人サンプリング法、個人ばく露測定ガイドラインお よびビデオばく露モニタリング)を実施し、それぞれの評価目的の特性から、学生実験の特徴を考慮した適切なばく露評価手順について考察した。その結果、個人サンプラーによる捕集を実施し、定量値を個人ばく露測定ガイドラインと個人サンプリング法の評価計算法に従い評価することにより、健康障害リスクと作業場環境の評価を同時に行い、効率かつ効果的にばく露評価を実施することが可能であることが示唆された。また、ビデオばく露モニタリングを同時に実施することで、改善が必要とされる結果が得られた際に高濃度ばく露作業を特定でき、改善が必要とされない場合でも残存リスクを抽出することが可能であることもわかった。

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© 2022 Academic Consociation of Environmental Safety and Waste Management,Japan
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