環境と安全
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報告
東京工業大学における危険物管理について
長谷川 紀子加藤 博子
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2014 年 5 巻 1 号 p. 41-48

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抄録
大学における火災・爆発事故は、物的損失と共に多種の化学物質を保管、使用していることから学内・近隣住民の方々に不安感を与え、多大な迷惑をかけることになる。火災・爆発事故により多種多様な有害物が環境中へ流出する懸念は否定できないことから、教育・研究機関なりの管理体制を構築し、適切な安全対策を実施していくことが必須である。 大学における安全衛生管理は、大学等の社会的責任、コンプライアンス、開かれた大学等、情報公開、ソーシャルメディアなどで構築されるステークホルダーと大学等との「信頼ブリッジ」によって成り立っている。 また、大学の社会的責任として、次世代を担う学生たちへの安全衛生管理の教育は重要である。 本学では一昨年、色素レーザ装置による重大な火災・爆発事故をおこした。このような事故を二度と起こさないために、新たに危険物管理システムに関する学内規則を定めた。本稿は実験室火災を引き起こした際に、大学の「信頼ブリッジ」を回復することの重要性と、実際に如何に回復するかについて報告する。
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© 2014 Academic Consociation of Environmental Safety and Waste Management,Japan
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