抄録
薬物トランスポーターの詳細で包括的な情報がデータベース化されている. また遺伝子バンクの整備が進み, トランスポーター遺伝子発現系を利用することで, 開発中の化合物のトランスポーターに対する認識性を解析することが可能である. 近年, トランスポーターの発現分布や基質認識特性を考慮したドラッグデザインやプロドラッグ化が注目されている.
本稿では, 薬物の体内動態制御に関わるトランスポーターについて例をあげて紹介し, トランスポーターを利用した臓器選択的DDSにおいて考慮すべき諸問題について考察する.