抄録
糖トランスポーターを利用したDDSについて, これまでの知見をまとめた. 糖トランスポーターを利用した“薬物”のデリバリーの報告例は少ない. 腸管においては, SGLT1を介した各種グリコシドの輸送が報告されている. 糖の種類, 糖と薬物の結合様式によりその動態は異なる. 単糖付加体は, SGLT1を介した新規腸管吸収ルートを通ることの出来るプロドラッグとなるが, 二糖付加体の場合は, さらにプレプロドラッグとして利用できる可能性がある.
一方, 各種ペプチドのグルコシドが脳や腎臓へ移行することが報告されているが, 糖トランスポーターの介在性に関する明確なデータはない.