抄録
2000年にナノテクノロジーの振興が提唱される以前から, DDSではナノサイズのキャリアが当然のごとく使用されてきた. それは, 1990年代までにナノサイズを用いる意義がDDSで深く認識されてきたことと, ナノサイズのキャリアを作製する技術が得られていたことによる.
本稿では, 薬物キャリアがナノサイズである意義と, キャリアの投与経路, そしてキャリアの形態を分類して説明する. 最後の章では, 各キャリア形態の最近の発展を概観するとともに, 関連したトピック (ナノメディスンと分子イメージング) についてまとめる.