Drug Delivery System
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"遺伝子・核酸医薬品のデリバリー -特集によせて
キトサンを用いた遺伝子デリバリー
岡本 浩一
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2007 年 22 巻 2 号 p. 131-139

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抄録
キトサンは生体適合性が高く,遺伝子との複合体はDNase抵抗性を持つ.脱アセチル化度(DDA),分子量,N/P比(キトサン中の窒素と遺伝子中のリンのモル比)は,キトサンの遺伝子結合能および送達能を決める重要なパラメーターとなる.低分子キトサンは,高分子キトサンにくらべて遺伝子結合能は低いが,水溶性が高い.また,DDAを高くすることで遺伝子結合能が改善される.しかし,結合能が高すぎると,細胞内での遺伝子放出性が低下し,発現の遅延および低下につながる.近年では,キトサンの溶解性改善や組織標的化を目的とした種々のキトサン誘導体が検討されている.
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© 2007 日本DDS学会
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