抄録
生体分子イメージングの手法を用いて,病態の分子医学的把握とその情報を有効に用いた薬効評価,また,従来の血中動態だけでない標的細胞・分子への薬物動態を捉え,薬剤送達システム(DDS)の評価を行うことが出来る.特に,“ヒトに対しての創薬”を行っていくために欠くことの出来ない方法である.わが国の統合的な研究プログラムを国策として推進することが絶対必要である.本稿では,筆者らのこれまでの研究成果と,現在研究を担当している文部科学省の分子イメージング研究プログラムによる近未来の研究の方向性について述べたい.