Drug Delivery System
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特集 “がんの標的療法:基礎と実地臨床” 編集 : 羽渕友則
有痛性骨転移に対する89Sr治療の現状と課題
西尾 正道
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2010 年 25 巻 2 号 p. 120-125

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抄録
有痛性の多発性骨転移に対して放射性医薬品である塩化ストロンチウム(89Sr)は高い除痛効果が報告されている.
89Srは体内でCa代謝と類似した動態を示し,Ca代謝が亢進した骨転移部位に選択的に集積する.物理学的半減期は50.5日で,純β線放出核種で,β線の最大エネルギーは1.49 MeV(100%)であり,組織中の飛程は平均2.4 mm(最大8 mm)であるため,放射線はほとんど自己吸収され周囲の人への影響は少ない.
現在までの89Sr治療の概略と今後の課題について報告する.
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© 2010 日本DDS学会
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