2013 年 28 巻 1 号 p. 45-53
細胞の分化・培養に関する近年の目覚ましい技術革新により、細胞を「クスリ」として体外から投与することによる疾患治療への期待が高まっている。生体内で細胞は、周りの細胞や細胞外基質と密接な相互作用を介して生命活動を担っていることから、細胞を三次元培養することで得られる細胞塊(細胞スフェロイド)は、細胞の機能を最大限に引き出すことのできる投与形態として注目されている。 本稿では、これまでに報告された細胞スフェロイド作製方法の特徴を整理・比較するとともに、最近の我々の取り組みについて紹介したい。