Drug Delivery System
Online ISSN : 1881-2732
Print ISSN : 0913-5006
ISSN-L : 0913-5006
特集“脳をターゲットとするDDSの基礎と臨床” 編集:武田真莉子
社会性記憶と自閉症:末梢オキシトシン投与による症状改善とCD38の一塩基置換
東田 陽博
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 28 巻 4 号 p. 310-317

詳細
抄録

オキシトシンは脳内に放出され、扁桃体をはじめとする「社会脳」領域を介して社会性行動、特に信頼を基礎とするあらゆる人間相互間活動に影響を与える。オキシトシン遺伝子や受容体、オキシトシンの脳内分泌を制御するCD38などがそれらの機能を司る。オキシトシンの鼻腔単回投与により健常人、自閉症スペクトラム障害者ともに、目を見るなどの対人関係行動の改善や促進があり、連続投与により、社会性障害症状の改善が報告されている。オキシトシンの末梢投与により、オキシトシンは脳脊髄液中や脳内へ移行すると思われるが、まだ十分な証拠はなく、移行の分子メカニズムを含めて、今後の研究が待たれる。

著者関連情報
© 2013 日本DDS学会
前の記事 次の記事
feedback
Top