抄録
近年、医学・工学の連携、ナノテクノロジーの医学応用といった境界領域の技術融合による新しい研究分野の開発が活発に行われており、それらは医学における治療・診断・検査機器の開発等の発展に大きく貢献している。その一分野に磁性体の医学応用があり、磁性体を用いた細胞分離技術、磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging:MRI)における造影剤への適用、感温性磁性体による癌の温熱療法、機能性磁性体粒子による抗癌剤のdrug delivery system等の開発が進められている。本稿では、昨今における磁性体技術の癌診療への応用と現状について述べる。