抄録
遺伝子にコードされた膜電位センサー(GEVIs)は、多くの神経細胞からの電気シグナルを同時計測可能であるため、神経科学の分野で注目されている。しかしながらGEVIsが現在まで数多く発表されているため、使用する側としてはどのGEVIsを実験に使用すべきかわからなくなることが多い。実際にそれぞれのGEVIsには利点と欠点があり、使用する際には注意が必要である。そこで本稿では初期のイオンチャネル型から2015年に発表された最新のロドプシン-蛍光タンパク質型まで、GEVIsの開発競争の流れを振り返り、それぞれのGEVIsの特徴や実験による使い分けについて概説する。